槽場@被災後先日、“群馬泉”を醸す島岡酒造さんを訪問。
再建なった蔵もさることながら、造りの時期にお邪魔するのは初めてだけに、暮れに「おかげさまで搾れました」と報告を受けていた酒たちがどうなったか、伺う前からワクワク♪

あの厄災からほぼ一年。直後に “がんばれ、群馬泉” で一部は公開したものの、もっとも酷かったこの槽場の写真は封印してしまったのですが…
「助さん、格さん、もういいでしょう」とご老公の台詞を借りて、解禁。:-)

外観@被災後外観@再建後

左が火災直後、右が再建なった新蔵。真新しい漆喰の壁がまぶしい。
この日は今季最後の一本の “仲添え”。ってことは、明日は “甑倒し(こしきだおし)”。
良かったぁ、微妙なタイミングなれど、“蒸し” と “留麹(とめこうじ)” が見られる〜。
「もうすぐはじまりますから」と専務の案内で蔵の中へ…。

蒸し取り放冷後

和釜にかけられた “甑(こしき)” から蒸し上がった米を掘り出す蔵人さん。やがて放冷機が動き出すと、別の蔵人さんが温度をチェックしながら運搬用の箱に受けます。
蒸された米を “甑” から取って見せていただきましたが、すごい弾力。ぐっと潰そうとした指を跳ね返すかのよう。でも、思いの外にやわらかい “蒸し”。

醪仕込水

「ここもついでだから手を入れました」と仕込み蔵に移動。「運良く採取してあったとはいえ、最初に乳酸菌が検出されたときは、無事付いてくれたかとほっとしました」
はしごを登ってタンクをのぞき込むと、“泡消し機” が回るタンクからは若々しい酒の香りが立ち上ります。隣は豊かに湧き出る “硬水”。“山廃酛” を支える命の水ですな。

麹室出麹

今季の役目を終えた “麹室(こうじむろ)”。一階に下ろされた新しい “室” は、壁・天井はもちろん床まで、厚さ30mmという無垢の杉板が張り巡らされています。
“枯らし場” に置かれた “留麹”。ギュッと握って緩めると元に戻ろうとする感触がしっかりと感じられます。「こういう麹が欲しかったんですよ。流行りのガチガチに締めた麹では味がふくらみませんから」。弾力に富んだ “蒸し” の理由はそれだったのか、と納得。

きき酒「せっかくですから」と定番『群馬泉 本醸造』に小瓶は今年の『群馬泉 “初しぼり(山廃版)”』。加えて埃がこびりついた瓶のお酒も。

「蔵は新しくなりましたが、造りは以前のまま。昔ながらにじっくり寝かせてうまみがふくらむ酒を造っていきたいですね。最初の年だし、在庫もあるので、吟醸までは欲張りませんでした。ですから、創業平成18年といってもいいんです」と専務。

見事に復活を遂げた『群馬泉』。一献いかがですか?
ただし、今年の “醪(もろみ)” には “おやぢ菌” が混入したかもしれませぬ。
できあがる酒は、かなり臍曲がりな “変人酒” になるでしょうな♪ (笑)