竹鶴酒造翌朝は05:00に目が覚めました。当たり前のことですが、前夜あれほど呑んだにも拘わらず、二日酔いもなし!!
まっとうな酒ならではの清々しい目覚めです。

ホテルをチェックアウトして、さぁ、二日目のスタート。市役所方面から本川に架かる橋を渡ると、石畳の正面に湯気が立ち上るお蔵の姿が目に飛び込んできます。
思わずパチリ。折しも登校時刻、ランドセル姿を狙っているアブナいおやぢに見られたかも。(苦笑)

甑駐車場に車を入れて…
 「おはようございます!!」
とずかずかと奥へ…
「あれれ、だ〜れもいない!?!?」
約束の時間よりも少し早かったため、“釜場” では “甑” が孤軍奮闘。“蒸米” の香りが辺りに満ち、時折、蒸気が勢いよく抜けていくのをしげしげと見つめます。
「いいなぁ〜」と思わずつぶやきが…。
人っ気のない蔵であちらからパチリ。こちらかパチリ。おネエちゃんより “蒸し” に美しさを感じるなんて、いよいよヤキが回ってきましたかねぇ。X-)

そうこうしていると、“会所部屋(休憩室)” の扉が開き、全員の元気な顔が…。
あらためて「おはようございます!!」と朝の挨拶を。早、戦闘態勢ですな。

蒸し取り“甑” の覆いが外され、今朝の “蒸し取り” のはじまりです。

「放冷機もあるのに、なぜわざわざ?」と思ったら…
「使うと後の手入れもあるので、結構手間なんですよ。今日は麹米だけでしたから、じゃあ、手でやっちゃうかって」と前日教えてもらっていた放冷機が今日は大活躍。
なれど、掘り手は一人。どうやら新人さんが受け持つ仕事らしい。

杜氏は…いました、いました。日課の “ひねりもち” つくりに余念がありませぬ。

ひねり餅しぼりたて生酛つくり終えると…
「これ、今夜のおみやげに持っていってください。いつもより大きめにつくっておきましたから」「わぁお!!」
夜、ご一緒することになっているがんこさんの喜ぶ顔が浮かびまする。

「お酒、見ました?」
「滅相もない。覗きはしましたけど、無断でなんて、いくら厚顔無恥でも」
と苦笑いしていると…。
「じゃあ」
と “きき猪口” を持ってきて汲んでくださる。
これですよ、これ!!

2006BY生酛“ヤブタ” から滴り落ちる酒は、今季3本目の生酛純米。今朝からその “上槽” が行われると伺い、これを見たいばかりに出発を遅らせたのですから。

チリチリとまだ残るガスを口の中で抜くと、渋い中にも生酛ならではの風味がたっぷり。否応なしにキレていく余韻をしみじみ味わいます。
「あんたらにこの次お目にかかるのは、いつでしょね」
と名残を惜しむおやぢ。

「PETボトルに詰めてもらえばよかった!!」
もやしお蔵からだいぶ離れたコンビニでボルビックを買いながら、気づいたときにはあとの祭り。orz

さて、元へ戻って…。
やっとの思いで手から “きき猪口” を引き剥がしたとき、「ほらほら」とカミさんの呼ぶ声が…。
「なんだよ」「あれ見て」とその指先を見やれば…
「ひょえ〜、そんなのありぃ〜!?!?」
なんと、“放冷機” で “もやし” を直振りする杜氏の姿があるではありませんか。
これはもう「放し飼い」どころではありません。天衣無縫と傍若無人は紙一重!!

さんざんお世話になっておきながら、こうして無遠慮に書いているおやぢもおやぢですけどね。(苦笑)

蒸し運び麹室エアシューター

“蒸し米” の仕事は、ホントに戦場さながらの忙しさです。“麹米” はてきぱきと “室” に引き入れられ、前日同様、“床” の上に。杜氏はじめ、全員で蔵の中を駆けずり回るといった形容がピッタリ。
“麹米” の引き込みが終われば、“添” 用の “掛米” を送る “エアシューター” のセッティング。
これで米を送ることを良しとしない向きもありますが、限られた人数で何もかも手作業というのは、現実的ではありませんよね。“エアシューター” の欠点がまともに酒に出るような「そんなヤワな造りではない」ことの裏返しでもあろうかと。
いずれにしろ、部外者は邪魔にならないよう、通路を避けて佇むのみです。

町並み保存センターきき酒でお手つきしたお酒と稀少な生酛純米酒粕を車に積み込んで、後ろ髪を引かれる思いでお蔵を後に…。
今年の “呑切り” に伺う日まで、しばしのお別れ。
まぁ、あくまでも呼んでいただければですが…。(笑)

最後に “町並み保存センター” を目に焼きつけて、“胡堂(恵比須社)” を左に折れれば、古の町並みから現代へと立ち返ることに…。
“竹原編” のお終いですな。次なる目的地はここから250余kmの彼方。

丸一日、24時間を超える滞在をお許しくださった竹鶴酒造のみなさまに心からのお礼を申しあげます。
ありがとうございました。

【つづく】